先日「午前十時の映画祭」で『エクソシスト ディレクターズカット版』を観てきました。
↑旧作・名作を4Kなどで劇場公開しているものです。朝9時台に始まるので、子どもが再登校した頃は、まさかこんな時間の映画を観に行ける日が来るとは思いませんでした。
しばらくは遅刻や欠席がいつあるのかわからないので、予定が立てられないのです。
それも、コンプリメントを続けていればやがて解消していくので、映画がお好きな方はぜひおでかけください。
『エクソシスト』はご存知1973年公開のホラー映画の金字塔。12歳の少女リーガンに取り憑いた悪魔とエクソシスト(=悪魔祓い)が、壮絶な闘いを繰り広げるものです。
これは単なるホラーではなく、人物描写に優れた心理もの、という見方が適当です。
鑑賞しながら、不登校と悪魔憑きが重なって見えて仕方なかった私。失礼なことを言うなと思われるかもしれませんが、自分の子どもを見た経験から、そう思ったのです。
皆さまのお子さんを指しているのではないので、ご理解いただきたいです。
森田先生も、電子機器依存を悪魔がとりついたと例えてお話されることがありますね。
そこで、共通点を思いついただけ挙げてみようと思います。
共通点1
主人公の少女リーガンは、父母が別居。母親と暮らしていますが女優業で忙しく、ヘナヘナの映画監督の恋人がいます。心では父親・父性を求めていますが、不在や気にかけてもらえないことで、心に空白を抱えています。
→不登校の頃、父親が不在がちでした。私に映画監督の恋人はいませんでしたが、他に気がかりなことや、没頭していることがあり、娘の観察は全然できていませんでした。
共通点2
様子がおかしいことに気づいた母親が心配して病院へ連れていき、リーガンにつらい検査を次々と受けさせますが、異常は見当たりません。
→ようやく娘の様子がおかしいと気づいて、まず原因を他に探しました。スクールカウンセラーのところへ行き、病院へも行く寸前でした。常に身体の不調を訴えていましたので、そのまま受け取って、身体が悪いと本気で思っていました。
共通点3
リーガンの心の隙間に入り込んだのが悪魔。人が変わったように、暴言や暴力があります。
→心の隙間を埋めるように、ゲームに没頭しました。すぐに昼夜逆転になり、依存し、表情や目つきが変わりました。
共通点4
祈りの言葉、十字架、聖水などで悪魔祓いをしますが、暴言で抵抗します。
→そのままその通り。コンプリメントを嫌がって拒絶しました。
共通点5
カラス神父がリーガンについて説明する時「こうなった原因は3つある」と言うのですが、師のメリン神父は言います「いや、ひとつだ!」
→原因と思われたものはきっかけに過ぎず、「自信の水不足」ひとつだったと思います。
共通点6
これまでお手伝いさんに任せていたリーガンの世話でしたが、母親はリーガンの異変に気づいてから、ありとあらゆる方法で、子どもを救おうと努力します。神父へ救いの手を求めたのもその一環。最後に家を離れる時には、お手伝いさんとの別れもあり、自分の手で子育てをしていくという決意がうかがえます。母娘関係の修復が行われたのです。
→ありとあらゆること…やりました。なんとかしたいという親の欲の部分も多かったですが、最終的には「子どもを救いたい」という気持ちでコンプリメントに取り組みました。リーガンがとんでもないことになっても、母親が決して子どもを見捨てなかったことに感動しました。
共通点7
ラスト近く、元の少女に戻ったリーガンは、悪魔の憑いていた時の記憶がないのだと母親が言います。
→これもよく聞く話ですが、不登校の頃の記憶が子どもにはありません。ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌すると、 脳の神経細胞(特に学習や記憶に関する器官)を 破壊するのです。
全体的に頭の働きが悪くなるので、学校の勉強ができるようになるまで時間がかかりました。不登校なのに(だから?)勉強をやらせようとする方が多いのには、自分も通ってきた道だけに心が痛みます。
まずはコンプリメントで自信の水。あとは時期が来れば勉強する子はする、という考え方です。
結論
『コンプリメント』は映画『エクソシスト』のハッピーエンド版といえる
エクソシストで悪魔祓いに取り組んだ神父二人は心臓発作や悪魔を引受けて窓から飛び降りるなどして死亡しました。リーガンは助かり、元の少女に戻りましたが、犠牲者が出てしまったのです。
コンプリメントは悪魔を自分で追い払う力を子どもにつけます。悪魔祓いだと言って一気になんとかしようとするのではなく、親が時間をかけて電子機器の害をインプット、コンプリメントで意志の力を育て、自分をコントロールできるようにしていきます。
これは初めて訪れた神父さんにはとても無理。時間と根気と愛情が不可欠です。なんとか子どもを救いたいと考える親でないと、できないことでしょう。
余談ですが、この神父さんたちにとっての悲劇的な結末…原作は違うそうです。
悪魔を引き受けて飛び降りたカラス神父は、虫の息ながらも生きていますし、不在だった父親が娘にバラの花を贈り、家族の修復を予感させるものになっています。
悪魔祓いの権威メリン神父が森田先生で、カラス神父兼母親が私、という位置づけかな…と思いながら観ました。
でもそうなると先生が心臓発作になってしまうか…(^_^;)
森田先生には長生きして、一人でも多くの悩める親子を救っていただかなくては。
それでは、また。